「バーベキューが取れたのも戸崎のおかげだ」
「何を言われるんですか!
僕の馬鹿な提案を聞いてくださった皆さんのおかげです」
「そうか……。
俺らも楽しくさせてもらったよ」
北野さんがそう言って笑った時……
「冗談じゃない!
こっちは心臓が冷え切る思いでしたよ!!」
中山がいつもの勢いで飛び出してくる。
そして、憎たらしい中山節が始まる。
俺はそんな中山を見て笑っていた。
「だいたい戸崎さん!
あなた、なんで本番直前に緊張で動けなくなるのです!?
棄権するところでしたよ!
しかも、無茶ぶり、無茶なオタ芸、そして、最後はギターすら弾かない!!
あなた、基本的に自由すぎます!!」
「おい!中山!!」
後輩たちが焦って中山を止める。
「だいいち……
第一、なんであなた艶のマネするのです!?
そして、なんで俺が碧のポジションなんですか?
あなた……」
「中山」
俺は笑顔で中山を見る。
そして、
「う、る、さ、い、よ」
わざとそう言って立ち上がった。
知ってるよ。
中山、俺を褒めてくれているんでしょ。
ありがとう、中山。