「泣くなって、中山」 俺はそう言って買ってきたイチゴミルクを差し出す。 「何これ。 ……ふざけてるんスか?」 露骨に嫌な顔をする中山に、 「甘党の俺のおすすめだけどなぁ」 俺はそう言って、バナナミルクにストローを刺す。 あぁ、美味しい。 コーヒーなんかより、ずっとこっちが好きだ。 中山はそんな俺を見ず、ただうつむいていた。 俺はそんな中山を見て微笑んでいた。