ふと蒼を見る。



テレビではコワモテで色気を振りまいていたその顔は、太陽みたいな笑顔であたしを見ている。




そのオレンジ系の髪、

アーモンド型の瞳、

すーっと通った鼻筋、

口角の上がった口元。

どれも愛しくて、あたしの心を掴んで離さない。

蒼を見つめるあたしは、きっと真っ赤だ。





「だけど良かった。

また碧の歌が聴けて」




蒼から目を離してそう言う。




「本当に解散しちゃうかと思ったよ」



「うん。

でも、最近は優弥に愛想尽かされないように、みんな真面目にやってるよ」




蒼はそう言って楽しそうに笑った。







優弥さん……

Fのリーダー、艶。

蒼の高校の先輩で、Fのギター兼プロデューサー。

マネージャー業務までこなす、凄腕だ。

蒼はいつも優弥さんをからかったり怒らせたりしているが……

本当は大好きなんだ。