へとへとになって家に帰ると、暗くなった室内で寝ている唯ちゃん。

俺はその頬にキスをする。

俺はこうやって、唯ちゃんに寂しい思いばかりさせてきた。

だけど唯ちゃんは黙って俺を支えてくれた。

そんな唯ちゃんのために、俺は頑張れる。

いつまでたっても、唯ちゃんは一番の理解者だから。





「ごめんね、唯ちゃん」




そう言うと、少しだけ目を開ける唯ちゃん。




「楽しみに……してる」




その言葉が俺を強くさせる。

俺の疲れを吹っ飛ばす。

唯ちゃんが応援してくれるから、俺はまた碧になれる気がした。

弱い俺の殻を破って、不敵で完璧な演奏を披露する碧に。