一ヶ月後、俺たちの前に現れた遠藤先輩は、別人だった。

すらっと痩せて、髪型もなんだかかっこ良くて。

そして、俺たちの誰よりもキラキラオーラに満たされていた。



……俺たちの負けだ。






「約束通り、俺を入れてもらう」




遠藤先輩の言葉に、




「はい!」




ただ怖くて返事をしてしまう俺たち。

バスケ部は上下関係が厳しい。

それに加え、鬼の遠藤先輩だ。

遠藤先輩を前に、俺たちはなす術もない。





だが……





「俺はもう、バスケ部を引退している」




思いがけないことを言う遠藤先輩。




「だから、先輩じゃねぇ。仲間だ」



「え?」