「あー、そうそう。

結婚式の出席ありがとうね」




にこにこ笑う戸崎さん。

そんな戸崎さんに、




「先輩命令なので仕方ないですよ」




ため息をつく中山。

そんな中山にも、なおも笑ってうんうん頷く戸崎さん。

菩薩みたいな人だ。





「俺の知り合い、変人が多いんだ」




戸崎さんはそう言って、ようやく唐揚げをつまみだす。

俺ともう一人の後輩は、顔を見合わせて目を大きくしていた。

中山は下を向いている。




「だからさ、変な人見ても驚かないでね」




どういう意味だろう。




「馬鹿な戸崎のことだと思って、笑って流してね」






それってやっぱり……








「Ｆが来るってことですよね？」




戸崎さんと別れたあと、後輩が行った。

俺はゆっくり頷いていた。




謎に包まれていた戸崎さんの真実が……




ようやく幕を上げる。