その後、紅さんは散々蒼を罵倒して去っていった。
ドアを閉めろとか、蒼の喘ぎ声なんて聞きたくないとか。
聞いているあたしが恥ずかしくなるほどだった。
残された蒼は不貞腐れて頬をぷーっと膨らませて。
恨めしそうにドアを見つめていた。
「相変わらず酷いな、ねーちゃん」
蒼はため息をついた。
「ねーちゃんがあんなに男っぽいから、俺はこんな性格なんだよきっと」
こうもボコボコにされると、何だか蒼が可哀想。
それでも、蒼は紅さんが大好きなんだと言うことが分かった。
だって、嬉しそうなんだ。
紅さんの話をする蒼は。
Fのみんなやハルの話をする時のような、幸せそうな顔をする。
あたしの話をするときも、あんな顔をするのかな?
だったら、すごく嬉しいな。