高速を走って、県を越えて、二時間ほど。
ようやく蒼は高速を下りた。
辺りはすっかり雪深くなっていて。
あたしの実家とはまるで世界が違う。
蒼、こんな遠くから迎えに来てくれたんだ。
そして、こんなところに住んでいたんだ。
優弥さんも、慎吾も賢一も。
何だか蒼の故郷を見れるの、嬉しいよ。
高速を下りて少し走って。
小さな繁華街を越えて。
その街から少し外れた住宅街に、蒼の実家はあった。
豪邸だと思っていた。
何の根拠もなく。
だけど、目の前にあったのは、ごく普通の一軒家だった。
白い家は、雪のせいで一段と白くなっている。
庭には雪だるまが作ってあって。
「俺と慎吾で作ったんだ」
蒼はそう言った。
「慎吾の家、向かいだから」
そっか。
蒼と慎吾は幼馴染。
家もすごく近くなんだね。