「蒼、ごめんね、色々と」




そう言うと、ううんと首を振る蒼。




「いいじゃん。

唯ちゃん、大切にされてるじゃん」





なんでそんなことを言うの?

蒼、あれだけ酷いことを言われたのに。

普通だったら、もう会わないなんて怒ってもいいはずなのに。





「当然だよ。

大切な娘なんだから」





蒼は本当に大人だと思う。

あたしみたいに感情に流されずに。

一人で部屋に閉じこもっていた自分が愚かに思えた。





「それに、アルバムとMVの件も了解もらえたって。

普通なら刺されてもいいのに、優しいよね」





そうなんだ……

それは嬉しいけど……

でも、アルバムやMV制作に関わるってことは、またお父さんと接触するんだよね?

何だか嫌な予感がするよ。





「俺、絶対に認めてもらうから」




蒼はまっすぐ前を見たまま、そう言ってくれた。





ありがとう。

その言葉がすごく嬉しいよ。