「大丈夫」
蒼は鞄から何かを取り出し、再び布団に潜り込む。
「どうしたの?」
思わずそう聞いたら、
「クリスマスプレゼント」
優しい顔でそう言う。
その笑顔にいちいちきゅんとする。
それにしても、蒼、クリスマスプレゼントなんて用意してくれたんだ。
この旅行だけでもすんごいプレゼントなのに。
「唯ちゃん、左手出して」
言われるままに左手を出す。
あたしの小さな手。
それを優しく蒼の大きな手が包み込んだ。
……大好き。
本当に蒼が好き。
蒼は左手を絡ませて……
右手であたしの薬指にきらっとしたものを嵌める。
これは……
「指輪……」
鼓動が速い。
止まってしまいそう。
胸が熱い。
焦げてしまいそう。