旅館の料理は絶品だった。 山の幸にカニに。 普段はこんなものは食べられない。 この部屋にこの料理、一体いくらかかったのだろう。 蒼は瓶ビールを一本頼んで。 それをまぁまぁとついでくれる。 「いいの?飲酒して」 「一本くらいいいでしょ。 ここならきっとバレない」 いたずらそうに笑う。 「それに、お酒の力を借りるのも大切だよ?」 何だかわけの分からないことを言う。