蒼の大きな胸。
あたしをすっぽり包んでくれる。
ぎゅっとあたしの身体を抱きしめ、頬に唇を付け、湯船に浸かった。
乳白色の温泉は、あたしの身体を綺麗に隠してくれる。
それでも直に触れる蒼の身体に痺れてしまう。
「ねぇ、唯ちゃん?」
蒼はあたしを抱きしめたまま、甘い声で囁く。
恥ずかしくてうつむくあたし。
そんなあたしの両脇を抱え、ぐっと身体を持ち上げる蒼。
「やっ!」
思わず悲鳴を上げた。
そんなことすると、見えちゃうよ。
恥ずかしいよ。
蒼はそのままぐるっとあたしの向きを変え、蒼と向き合う状態になる。
慌てて首まで湯船に浸かるあたしを、余裕な表情で眺める蒼。
かっこよくて、爽やかで。
だけど甘くて、そして色っぽい。
ずるいよ。
そんな顔であたしを見ないで。
あたし、溶けてなくなってしまう。