「唯ちゃん……なんで……」 蒼の瞳から一筋の涙が零れる。 蒼はあたしから顔を背け、それを拭う。 「優弥のおかげなのに。 俺なんか足引っ張ってるだけなのに……」 その声は、消えそうなほど小さくて。 聞き取れないほど震えていた。 「蒼なんか、じゃない。 蒼だから、だよ」 だから、これからもその唄を聞かせてください。 その不敵なドヤ顔で、あたしを狂わせてください。 蒼のおかげで元気をもらった人は、きっとたくさんいるよ。