「蒼!シケた奴だなぁ」
ハルが腕を組みながらため息をついた。
「なんでだよぉ?」
顔をしかめて聞く蒼に、
「せっかく俺がラブメール出してやったのに、スルーかよ」
「あぁ。ラジオのね。
読んでもらえただけで幸せだと思いなよ」
蒼はそう言って満面の笑みを浮かべる。
だけど、その言葉には棘がある。
「あー、イラつく野郎。
馬鹿野郎。
軟弱者。
偽善者。
碧」
「最後のだけ余分」
蒼はそう言って机に突っ伏した。
その顔はやっぱり疲れている。
だが、土曜日の休憩のせいか、幾分表情は穏やかだ。
「疲れてるな、蒼」
心配そうなハル。
蒼は伏せたまま軽く笑う。
「大丈夫。あと少しだから」
あと少し……
あと少しだよね。
疲れた身体に鞭を打って頑張る蒼。
そんな努力があるからFがいるんだよね。