「お互い、幸せになろうね」 久美ちゃんはそう言って立ち上がる。 そして、天使のようにそのコートを翻して去っていった。 蒼は、そんな久美ちゃんの後ろ姿をずっと見ていた。 何だか複雑な気分。 でも、嬉しいよ。 心の中に引っかかっていたものが、すーっととれた感じだった。 蒼、ありがとう。 あたしを選んでくれて、本当にありがとう!