蒼が帰ってきたのは、早朝の三時過ぎだった。
静かにドアを開け、倒れそうな足取りで廊下を歩く。
そして、いつもは死んだようにソファーに倒れこんで朝まで眠るのだが……
「唯ちゃん……」
ほわっとした柔らかい声が聞こえる。
温かくて、あたしを優しく包み込んでくれるようで。
悲鳴を上げていたこころがゆっくりと満たされていく。
目を開けると、蒼が優しい顔で笑っていて。
「ごめんね、寂しい思いをさせて」
甘えてはいけない。
甘えは蒼の負担を大きくするだけ。
そう分かっているのに……
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…