優弥さんは厳しい。
素人のあたしには、完璧なパフォーマンスに思えたのに、優弥さんは納得出来ていないようで。
ビデオカメラの映像を見て、さらに駄目出しをする。
そんな優弥さんの言葉を、顔を歪めながらも真剣に聞く三人。
優弥さんは誰よりも厳しく、そして、誰よりもFのことを考えている。
そんな優弥さんを三人は尊敬している。
それがしみじみと分かった。
「蒼。今日のお前は最悪だ。
学祭で遊んでた分を取り戻せ。
そして……
なぜ唯ちゃんの方を見て笑う?」
「え?」
蒼はぽかーんとあたしを見た。
何だか恥ずかしくて、下を向くあたし。
「俺、そんなことした?」
蒼、気付いてないんだ。
気付かずあんな表情するなんて……
本当にずるいよ、蒼。
おかげであたしは真っ赤だよ。
身体もおかしいよ。