「あーッ!!」
悲劇の発端はあたしの第一声だった。
昼頃、蒼と学祭のワッフルの店で食事をしている時だった。
辺りが一斉にこっちを見る。
注目を浴びて恥ずかしいあたし。
あたしは身をすくめた。
今日は焼きそば店を出す予定はなく、あたしは終日フリー。
だけど、蒼がもうすぐFのライブの準備に入るため、学校に来ていたのだ。
そんな蒼は久しぶりに普通の姿をしている。
白いシャツに、ダークグレーのジャケット。
そしてデニムにスニーカー。
頭にはいつもの帽子をかぶっている。
相変わらずかっこいい。
視線がぶつかるたび顔が赤くなる。
だけど……
あたしは今、それどころではなかったのだ!