蒼は不意にあたしを抱きしめた。
温かくて、優しくて、大きなこの腕の中が大好きだ。
「唯ちゃん、頑張ったね」
甘い声に溶けそうになる。
「それ、二十一回目」
「何回でも言うよ?」
蒼はそう言って、あたしの額にキスをする。
そのまま鼻へ、頬へ、そして唇へと降りる。
甘くて優しくて、身体が溶けそうなキス。
蒼はギターのように、あたしの全身を甘く鳴らせる。
弦に触れるように、時に強く時に優しくあたしに触れる。
蒼の触れた部分が熱をもって身体の深部へと響く。
あたしの身体が粉々になってしまいそう。
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