「唯ちゃん、頑張ったね」 家に帰ると、蒼は満面の笑みであたしを見た。 「蒼、それ今日二十回目」 照れ隠しでそう言うと、 「何回でも言うよ? だって本当だもん」 蒼は口を尖らせてそう言った。 「慎吾も賢一も、それに優弥だって褒めてた」 あたしはそれが意外だった。 鬼の優弥さんからは駄目出しの嵐だと思っていたのに。 なのに、優弥さんは黙ってあたしの頭をぽんぽんと撫でたのだ。