「お前ら、使えないペアだな」
ミスタースマイルで焼きそばを渡しながら、ひどいことをいうハル。
「てか、二人ともマジで料理のセンスない」
「じゃ、ハルがやりなよ!」
「いや、俺、ミスターだから」
ハルはドヤ顔でそう言った。
そんな焼きそば店は大繁盛していて。
……というのも、ミスター候補のハルがいるのかもしれない。
イケメンのハルはきゃあきゃあ騒がれ、女子と写真を撮ったり。
その横で、あたしたちは奴隷のように必死で働いた。
これでいいんだ。
平和に済めばいい。
あたしたちは引き立て役。
そう思っていた。