「焼きそば一丁!」
屋台にハルの声が響いていた。
「はいよ!」
隣にいる、変な男がそれに答える。
頭には白いタオル。
そして、大きなサングラス。
黒いTシャツには、『ハルにミスターを!』の文字。
周りにキャベツを散らかしながら、豪快に焼きそばを炒めていた。
「蒼!丁寧にやれよ!」
怒るハルに、
「えー。
俺、卵割り係じゃなかったの?」
ごねる変な男
……いや、蒼。
「熱いよぉ~。死ぬよぉ~」
泣き言を言う蒼に、
「店番交代まであと少しだから頑張れ!!」
ハルは涼しい顔で客に焼きそばを渡していた。