だけど…… 「ただいま!」 玄関の扉を開けると、パタパタと走ってくる子犬のような蒼。 「早かったね、唯ちゃん」 そう言って飛びかかってくる蒼に、あたしは白い紙袋を差し出した。 「なに、これ?」 首を傾げる蒼に、 「店長から蒼に」 あたしは告げる。 すると、蒼は嬉しそうに目を大きくした。 「ごめんね。 蒼にも色々迷惑かけたね」 そういう苦しさは分かっているはずなのに、蒼を悲しませてしまったよね。