「ごちそうさまでした」
不意に近くで声がした。
すると、そこにはいつもの笑顔の蒼が立っていて。
「うるさくしてごめんなさい。
でも、すごく美味しかった」
店長にそう言った。
「君は……」
あたしに背を向けたまま、店長は蒼を見る。
その頬は紅く染まり、悲しい瞳をしていた。
「この店、すごく美味しいって有名です。
またケーキ食べたいな」
「なんで君は……」
店長の背中は微かに震えていた。
その背中を見て、あたしは罪悪感でいっぱいになる。
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