「唯ちゃん」




ふと名前を呼ばれ、飛び上がる。

振り向くと、そこにはにこにこ笑顔の店長がいて。

あたしの肩に手を回し、こう言った。




「注文取ってきて」



「えっ……」



「そんな顔しないの」




そう言って、店長はあたしの頬を軽くつねる。




「すっ……

すみません……」




こうして、あたしは自ら蒼の席に赴くこととなった。