そうなんだ。
あたしから見たら、蒼は完璧。
だけど、蒼も蒼なりにもがいているんだね。
「はじめはどうでもいいやって思ったけど、唯ちゃん見て考え変わったよ。
俺も頑張ろうって」
そう言って、あたしの手を優しく握ってくれる蒼。
ギターを練習しすぎてボロボロになったあたしの右手にピリッと痛みが走る。
「やっぱり、俺の力の源は唯ちゃんなんだね」
「あたしも」
そう言うと、蒼はあたしを見てふふっと笑う。
あたしもつられてふふっと笑う。
どんな無茶な要求でも、蒼がいたら超えていける気がした。
蒼がいたら、あたしの力は不可能を可能にする。
学祭、楽しみだね。
蒼に負けないように、あたしも足掻いてみるからさ。