Fもあたしも、時間を忘れて練習をしていた。 そして、休憩の合間に蒼が気にして来てくれたり、とうとう優弥さんが本気の指導を始めたりした。 優弥さんはスパルタで駄目出しばかり。 初心者のあたしにも容赦無く突っ込む。 だけど、優弥さんのおかけで音は出るようになった。 大きな進歩だった。 「俺は指導者に向いてないかな」 何だか蒼は残念そうだったが。 そして、あたしたちがスタジオを出た時には、時計の針は11時を指していた。