とうとう新学期が始まり、久しぶりに大学へ行く。
そして、久しぶりに会うみんなと夏の思い出を語り合った。
そんな晴れたある日……。
授業を終え、あたしは蒼とキャンパスのベンチに座っていた。
「あー、すっかり秋だねぇ」
蒼はそう言って辺りを見る。
木々の色は少しくすみ、涼しい風が吹いた。
歩く人々は長袖だったり、ブーツを穿いていたり。
蒼の言ったとおり、辺りはすっかり秋になっていた。
「もうすぐ学祭もあるしね」
あたしの言葉に、
「あぁ、恐怖の学祭だね」
蒼は嫌そうな顔をした。
……そう。
Fが学祭で特別ライブを披露する。
今日の学校はその噂で持ちきりだった。