「今日の撮影さ、誰も呼んでないよ?
久美ちゃん、ファンクラブに入ってくれていたみたいで。
……正直驚いたよ」
そうなんだ。
蒼が呼んだわけではなかったんだね。
全部あたしの勘違いだったってわけだ。
久美ちゃんを見て微笑んだ蒼。
その笑顔の裏には、深い深い罪悪感があったのかもしれない。
「さ、唯ちゃん。
俺の話はそんなところですよ」
そう言ってぎゅっと手を引っ張られる。
思わずバランスを崩して、蒼の腕の中へと飛び込んでいた。
蒼の香りとボディーソープの香りがあたしの鼻を優しく刺激する。
頭がぼんやりするのに、身体は燃えるように熱い。