蒼はあたしの髪をゆっくり撫でる。 あたしの髪が、その無骨な手の隙間から零れ落ちた。 「俺は唯ちゃんを見つけたんだからさ。 ……絶対、離さないから」 嬉しい。 そのまっすぐな言葉が、どんな綺麗な言葉よりもあたしを安心させる。 そして、愚かだった自分を反省させる。 あたしもね、絶対離さない。 Fの碧だからじゃない。 あたしの大好きな蒼だから。