空気を揺るがすドラムの音。 まるで打楽器のような鋭いベース。 歪んだギターの音に、甘く耳を溶かすその歌声……。 「ひっ……」 思わず声が漏れ、あたしは胸をぎゅっと掴む。 真っ赤な顔を隠すように、彼から目を逸らした。 バクバクバクバク…… 心臓が速い。 速すぎて、あたし……死にそう。