「あ……」


短く発せられた言葉から、やがて大きな確信を伴った叫びへと変わる。



「何でここにいるの!?」


そこにいた人は、まぎれもなく同じ学年の男子だった。



それも、仲のいい3人組で。



それに、小学生の時に同じクラスだった奴でもある。




(見つかった……!)



猫を撫でていたのを見られた恥ずかしさと、不登校という引け目が、あたしを押しつぶさんとばかりに追い打ちをかける。



「…………綾瀬」



いきなり名前を呼ばれて、思わず後ずさる。



「な……なにっ」


短く叫ぶように言った。


「おい」



そう声をかけられて、あたしは逃げ出したくなった。



こんな弱気じゃいけない……弱気だから……そう、あの日から思ってきたのに。