ウィーンと音を立てて自動ドアが開く。



そこを抜けて、マンションに沿って右に曲がると、さっき窓から見た通り子猫がうずくまっていた。



「どうしたの」



みー、みー、と小さく鳴く子猫に、あたしはそっと声をかけた。



「これをあげる」



持ってきたトレイに、牛乳を注ぐ。




あたしは牛乳でいっぱいになったトレイを、子猫の前に置いた。


子猫は最初不思議そうな顔をしていたように見えたが、あたしが何もしないとわかるとやがてぺちゃぺちゃと牛乳をなめ始めた。



水曜日か……とふいに思い出す。


(今日は美術部の活動あったな。)



だが、そんなことは関係ない。


あたしも、この子猫にとっても。



だってあたしは、学校に行っていないから—————————————