「ケホッ……ケホッ……」



触れる寸前で彼が咳き込んだ。


あぁ、よかった。

と思うと同時にすぐさま海の方へと逃げる。



「やっと、捕まえた」



私が海へと戻るより先に、腕を掴まれ、視界がゆらぐ。

気づけば、押し倒され、真上に彼が被さっていた。



「お前だろ?いつも、俺の傍にいたの」