「私と同じ夢を持つ人もいたの。・・・居場所が欲しいって」
だけど、
「私がその夢を奪ってしまった」
生きたい。
それだけの理由でどれだけの命を奪った?
「ねぇ、魚は空を飛べると思う?」
少女はもう一度少年に尋ねた。
少年の顔はフードに隠れてよく見えない。
「私は、飛べないと思う」
少女も少年も始めから解ってた。
ただ少女は諦めていた。
少年は諦めきれなかっただけ。
少年は手を伸ばし続けた。
少年は生きる事を諦めきれなかった。
光に届かないと知っていても、
自分の手で、目で確かめるまで。
少女は諦めていた。
手を伸ばしたって、
光には届かないと知っていたから。
それでも死ぬことは出来なかったけど。