『ちょー、暇。』

とある孤島に、僕は、一人で来ていた。

辺りを見渡しても、何も無い。

見えるのは、山と海。

「よっ。始まるぞ?」

話好きの僕は、すぐに年上の友達ができた。

キーンコーン…。

予礼のチャイムを聞くのは、久しぶりだった。

車の免許を取るための、合宿に来ていたから。

「お願いします。」

担当の先生と挨拶を交わし、早速、車に乗り込んだ。

ミラーは良いか?シートベルトは?周りに人はいないか?

いろんなことを、一度に覚えなくちゃいけない。

気を緩める度に、馬鹿か。と言われ、凹(へこ)む反面、苛立ちも感じていた。

エンジンをかけているのに、また、キーを回して、カシャ…。と虚しい音が響いたり、左足のクラッチや、左手に握るギアを器用に扱えないと、

「はぁ。」

とか、言われてしまう。

どうにかこうにか、運転に慣れ、ストレートの道を、早いスピードで走れるようにはなったが、

「ビャッと出せ!!ビャッと!!」

もっと、スピードを出せ。と通訳していいようだ。

一日一日が、ストレスを溜め込む毎日になっていた。

その日の夜に、長年連れ添っていた、昔の彼女からのメールが届いた。

『ゆうくん…。』

話の内容は、友達と『合コン』とやらに行き、そこにいた男達と、寝た。と、言う話だった。

『汚い人。お前みたいな奴と付き合ってたのが恥ずかしいね。』

その時の僕は、普段の苛立ちを抑えきれず、その子に優しさをかけてあげられなかった。

たぶん、僕のせいなのだろうが、

『ちが…。無理矢理に…。』

『人のせいにするな!!そこに行ったのは、お前自信だろ!!』

きっと、あいを好きになってしまったから。

少しだけだけど、女の子が、凄く寂しがりな生き物なんだ。と実感した。

『ゴメンね。』

謝られる意味が、分からなかった。

『他人なんだから、別にもういいよ。まぁ、一言だけ言っていい?』

『うん…。』

いつものごとく、綺麗に受信拒否を設定してから、送る言葉。

『ぢゃーね。』

ずっと、隣にいた人さえも、ただの一言で終わりを告げる。

『もう、嫌。マジ、ウザイ。』

あいに、理由もなく当たってしまうのは、僕の言い表せれない不安達を、自信が持てない僕を…。

その優しさで、包んでほしかったんだ。