「HRの前に、転校生を紹介する」

「転校生!?」

「転校生だって!」

「女か!?」

「男でしょ!」





2年になってから初めての転校生に、みんなは騒ぎ胸を躍らせていた。





あたしは一人、消毒液で濡れた床を拭いてる。





転校生なんて、どうでも良い。





また新しいイジめっ子が出来るか、見てるだけのクラスメートがまた増えるだけ。





ほんと、何でも良い。





どんな奴でも、あたしには全く関係ない、関わる事のない人間だから。





「はいはい、分かったから!静かにしろ!じゃあ、転校生入って来い!」

「…きゃーーーっ!!!」





きゃー?





予想外にも、女子の黄色い声が教室に響き始めた。





「カッコいい!てか、可愛い!」

「アイドルみたいじゃない!?」

「はぁ…男かよ…」

「しかも、イケメンだし」





女子は盛り上がり、男子はため息をついてる。





あたしには関係ない…





だけど、気になってしまった





騒がれる転校生が。