「何か悩んでて、こんな事してしまったんやろ?」

「えっ……」





そう言いながら、あたしをヒョイっと立たせてくれた。





もしかしてこの人…心配してくれてる?





このあたしを…?





「こんな頭濡れてしまって…あ、これ使って」

「……」





そう言って渡されたのは青いハンカチ。





「消毒液って、髪の毛にダメージ与えるんかな?とりあえず、洗いに行かな!」





淡々と喋る彼に、誰もが驚いていた。





まさか、こんなあたしにまともに喋りかけてる上に、心配までしてくれているんだから。





「ちょ、ちょっと南條君!」





だけど、黙っていないわけがない…この女は…。





「えっ?なに?」

「そ、その子に関わらない方が良いよ!?」

「何で?」

「南條君までおかしな子に…」

「おかしくなんかないやん」

「へっ…?」

「さ、洗いに行こ」

「な、南條君!」

「もう…なに?」

「ほんとにそんな子ほっときなよ!南條君もその子と一緒になるよ!?」

「何なん自分」





転校生の顔がやや変わっていった。