何かを言い忘れたのか、と首を傾げた。
「お前、ずっと怖い顔してるから」
「怖い顔ですか?」
「艶野が学校辞めて二年に進級してから栂に会って、かなり顔変わってて驚いてたぞこっちは」
そんなに顔が変わっていたって、私に一体どんな厄がついているのか。
しかも先生の言葉通りに受け取れば、未だに私の顔は怖いままらしい。
「艶野って、久喜のこと知ってるんですか?」
「知ってるも何も、あいつ等の喧嘩止めたの俺だからな」
それは、知らなかった。
じゃあその喧嘩の理由も知っているのかもしれない。私はそれを知りたい。