教師らしいことを言わないところも、青山先生の良さということで。

校長先生がステージを降りていく。

「先生ひどーい、温だって人間ですよ?」

写しが終わったらしい蘭子が唇を尖らせていた。

「お前は人を庇える余裕があるのか?」

「ございませんでした」

「分かればよし」

全校生徒が立ち上がって礼をする。部長が立ち上がったのを見て、私達も立ち上がる。

使わないマイクの電源を切る。

「栂」

ステージを降りていこうとした青山先生がこちらを振り向いた。

「はい?」

返事をする。