放送室に入ると、椅子を三つ繋げた上に眠っている部長の姿があった。
遅刻したのか四限はここでサボったらしく、鞄が枕代わりになっていて、スカートの中にはちゃっかりジャージを穿いている。
今日の当番は部長でも私でもない。三年のプリンス先輩なんだけれど、まだ来ていないらしい。
機材から遠ざかった所に椅子を出してお弁当を広げた。少々埃っぽいけれど教室で食べるよりずっと落ち着く。
扉が静かに開いた。
「失礼します、って。あれ」
「こんにちは」
ひょこっと顔を出したプリンス先輩。
今日のメインパーソナリティー登場。
「こんにちは、部長退いてくんないかな」
「教室行ってないみたいです」
「だね」