去年の秋には、三年生が抜けたら私と蘭子と部長だけになってしまうので、体育祭とか文化祭はどうしようかという不安に襲われていた。

冬にプリンス先輩が来てくれて助かった。

プリンス先輩も男なのである程度の機材は運んでくれるけれど、細腕にすべてを任せることは出来ない。ので、プリンス先輩の知り合いが運ぶのを手伝ってくれるようになった。

人脈が広い人を知り合いに持つのは何かと便利だと思う。

「のんちゃんはどこで勉強してんの?」

「図書館でやってます。試験前は混んでますけど」

「部長は?」

「ここで」

と答える部長の手には愛してやまないあのハードカバーが。