突然立ち上がったお母さんが、久喜のお茶碗を持っていく。どうするつもりなのか、と私も久喜もそれを見ていた。

キッチンへ行って、炊飯器からご飯を盛る。大盛だった。
そしてこちらに戻ってくる。

「沢山食べなさい」

「……はい」

私もその行動にとても感動したけれど、久喜の手元には未だ肉まんとあんまんが残されていた。

結局私はそのあんまんを食べることになった。







久喜が家にいることをプリンス先輩に言うと、やはり爆笑された。

「のんちゃんの人生は歩みたくないけど、聞く分にはすごく面白い」

私もそう思います。他人の人生だったら聞いていたいって。