「温が買って来てくれたやつ」
「もうかたいでしょう、食べなくて良いよ」
「大丈夫、電子レンジにかけた」
ということは家に帰ったらしい。久喜を口を動かす。
それを見て、正直嬉しいと思った。だって家に帰ってここに戻ってきてくれた。
私があげたコンビニ肉まんたちを持って。
「久喜くん、いつまでうちに居るの?」
そうして、そんな現実的なことを口にするのはお母さん以外にいない。
「おうちの方、心配してるんじゃないの?」
「勘当されてるんで」
お母さんの表情が一瞬固まる。嫌な雰囲気にはならないで欲しいと思った。久喜が美味しいと生姜焼きを食べていたのだから。