久喜は休日が終わってもうちにいた。

リビングで寝起きして、昼はお母さんの買い物についていって荷物持ちをして、私の帰る時間には近くまで迎えに来てくれた。

「この肉柔らか!」

「ヨーグルトに漬けておくと柔らかくなるの」

……私よりも家に馴染んでいる気がする。

生姜焼きを食べながら、もそもそと肉まんを頬張っている久喜を見て感心してしまう。

久喜には順応力が備わっているのだろう。好き嫌いをしなかったり、どこでも眠れたり。誰かに好かれたり。それって勉強ができるより必要なことだと思う。

「……え、もしかしてその肉まんって」