いつから家の子になったの、とツッコミたくなるような馴染み様。

「あ、うん」

「温ママが隠し味を教えてくれない」

「うちって隠し味あったのかな」

えっ、とショックを受けた顔。カレーにどんな夢を持っていたんだろう。

「ご飯足りるかしらね」

お母さんが炊飯器を覗き込みながら呟いた。

「足りまっす」

「足りなかったら冷凍のご飯チンしてね」

「はーい」

お母さんが久喜と普通に話している……。

信じられない光景を目の当たりにしてしまって、私は静かに椅子に座った。