スターナは両手にナイフのような、円形になった持ちやすい持ち手の刃物を握った。

斬りつけてきた瞬間剣を抜いたアレンはその攻撃を防ぎ、バッと飛び退く。


予想以上に力が強い。


だがそんなことを気にも停めずに、アレンは目をぎらつかせて今度は自分から攻撃を仕掛けた。

スターナに真っ正面から突っ込み、相手が攻撃を防ごうと身構えた瞬間姿勢を素早く低くする。

そして懐に潜り込み、剣を振るった。


──が、スターナは咄嗟に武器で受け止め、横に逃げる。


その動きを一瞬で読んだアレンは直ぐ様剣を突き出した。

スターナの左肩に血が滲む。


「…もう少しで心臓刺されるとこだった」


アレンと距離をとってから肩を押さえたスターナが、にやっと笑いながら今戦っている相手を見据えた。

アレンは相変わらず冷たい瞳でスターナを睨んでいる。


スターナはそれを一瞥すると、猛スピードでアレンの後ろに回り込むと刃物を片方だけかざした。

あっさりアレンに剣で防がれる。


するとスターナは片方の刃物でアレンの剣を押さえたまま、待機していたもう片方の刃物を振るった。


アレンの右腕に赤い筋ができる。

ギリギリのところでかわしたため、深い傷にはならなかった。