「何?誰?」
レイが周りを見回した。
すると……
「魔王様の幹部、ロリン様の参上ッ」
モリティーの隣にスタッと降り立つ女の子がいた。
モリティーより大人っぽいその少女は両手を挙げてポーズを決めた。
「はいはい~、満点♪このロリン様が来たからにはあなたたちはもう……」
そこで話が止まる。
「……何だっけ忘れた」
「いやそこでかよッ」
すかさずギルクがツッコミを入れる。
「あっは~♪まぁい~じゃん☆」
そういってゆるく二つくくりにした長い黒髪を揺らしたロリンは、自分より幼く見えるモリティーに睨まれ罰が悪そうに笑った。
「ロリン、あんまりうるさいとお前を殺すぞ」
「あら~、モリティーちゃんったらぁ。あたしは前の幹部のビーンおばさんとは違って強いのよぅ。簡単には殺されないわぁ~」
「ビーンは欠陥作品だから、それは当たり前だ。それに私はお前より年上だ。『ちゃん』なんて気味の悪いものをつけるな。」
「あたしは魔王様の創られたモノの最新作よ?あなた以上の能力を持ってるわぁ」
言い合いながら真っ赤な目で睨み合う。
「例えばこんな感じ──…」
そう言ったロリンは急に身体のどこかから蔓を出して、レイに巻き付けた。
「きゃあっ」
「わわっ、レイ!」
慌ててイルが蔓を炎で燃やす。
「あっ、そんな回避の仕方があるのねぇ~。学習しちゃった♪」