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「やめなさいッ!」
三人が人影の真下についた途端、イルがカッコよく叫んだ。
「このイルちゃんが来たからにはもうそんなことはさせないからッ」
人影はゆっくりと三人を見下ろし、降りてきた。
「…例の剣士の仲間か。剣士はどうした」
白い天然カールの髪に映える真っ赤な目をギラつかせて、女のそれは三人に話しかけた。
「…貴女、誰?」
女の質問には答えずに、レイが静かに言う。
「私は魔王様の幹部、モリティー。」
不気味に笑い名乗ったモリティーは、手に炎を宿した。
「魔法使いね。…それは禁じられた黒魔法じゃないの?」
真剣な口調のイルが、緊張した様子で聞いた。
「黒魔法?」
ギルクがレイに助けを求める。
「魔法使いの魔法には三種類あるのよ。
一つはイルがいつも使うような普通の魔法。
もう一つはすごく高度な汚れのない白魔法。
そして最後が、禁断の恐ろしい力を秘めた黒魔法。」
レイのわかりやすい解説に頷いたギルクはモリティーを見る。
「要するに危険なんだな」
「そう言うことね」
モリティーはイルを見ながら薄ら笑いを浮かべた。
「禁じられていることなどどうでもいい。私は魔王様の命令に従うだけ。
あの方はこの村を焼き払えと言った。だから、そうする。」
炎をイルに向かって放った。
それを魔力をぶつけて消す。
「今日は貴女だけなの?」
「…さぁな、それは教えられない」
モリティーが言った途端、近くの家の影から何かがレイとギルクに向かって飛び出してきた。
それを慌てて避ける。