「ぐわあぁぁあぁ!!」
砂に攻撃される手下たち。
と、そこに紅い髪の少年が来る。
そして、少年は周りの手下を次々に殴り倒す。
「何だ?!お前らっ…」
リーダーが驚いてそう口を開いた時。
灰色っぽい髪の少年が、物凄い速さで目の前に来た。
そして、リーダーの腹に膝蹴りを的中させた。
「うぐっ…」
リーダーは砂の中にドサッと倒れた。
「ちょろいな」
アレンはニヤッと笑い、そう呟いた。
「まずこの人に謝りなさいッ!!」
イルが山賊に向かって言う。
「…すいませんした」
正座をさせられながらボソボソと呟く山賊達。
「もっとでけぇ声でハッキリと、声を揃えて言え」
アレンは剣を抜きながら言った。
それを見た山賊達は、
「すいませんしたぁぁあ!!」
と息ピッタリに頭を下げる。
「いい?」
イルが少女に聞く。
「…本当なら許せないところだけど…、仕方ないし許します」
少女は綺麗な声でそう言った。
「だってよ、よかったな、お前ら」
アレンが山賊を見下ろしながら言った。
「ハイ!」
声を揃えて言う山賊達。
「よし、有り金全部おいてけ」
アレンが素晴らしい笑顔を浮かべてそう言った。
「はぁ?!」
リーダーが声を上げる。
アレンはそれを見ると、剣をリーダーに向けて微笑んだまま、
「当然だろ?何がはぁ?!だ」
と言う。目が怖い。
「わ、わかりました…。」
山賊はお金を渡す。
全部渡したあと、
「ちくしょう!何なんだてめぇらは!山賊なのか?!」
と言いながら去っていった。
「何って救世主」
アレンがそう言うと、
「いや、普通に冒険者だから」
ギルクに突っ込まれた。